日本人騎手と外国人騎手の差を客観的に比較する（第一回）

ルメール騎手やＭ．デム－ロ騎手がJRA騎手になってからというもの、大レースのほとんどはこの二人の騎乗馬が人気の上でもレースでも中心になることが非常に多いです。

また、以前からこの二人を筆頭として、外国人ジョッキーの活躍がめざましく、日本人ジョッキーは影に隠れる形となっています。

馬乗りとしての騎乗技術の差は、ジョッキーになったこともなく馬に乗ったこともない私にはわかりかねますが、その成績の差は簡単に調べることが可能。

そこで今回は、日本人トップジョッキーと外国人騎手の差を、その成績から比較してみました。

昨年から先週（2017年11月6日）までのリーディング上位日本人騎手の成績

※騎手名黄色→前年日本人騎手トップ10、且つ、今年も先週時点でトップ10

※騎手名水色→前年日本人騎手トップ10

騎手	着別度数	勝率	連対率	複勝率	単回値	複回値	単適回値	平均着	平人気	平ｵｯｽﾞ
戸崎圭太	339- 245- 182-1000/1766	19.2%	33.1%	43.4%	76	75	80.2	5.3着	3.2人気	8.3
川田将雅	206- 170- 147- 681/1204	17.1%	31.2%	43.4%	75	81	76.8	5.4着	3.5人気	10.0
福永祐一	205- 175- 139- 799/1318	15.6%	28.8%	39.4%	89	83	83.4	5.4着	4.1人気	12.2
内田博幸	171- 148- 139-1293/1751	9.8%	18.2%	26.2%	64	61	77.8	6.9着	5.8人気	27.0
田辺裕信	160- 154- 128- 899/1341	11.9%	23.4%	33.0%	101	84	88.0	6.3着	5.3人気	20.7
和田竜二	155- 166- 172-1356/1849	8.4%	17.4%	26.7%	85	82	82.0	6.8着	6.5人気	34.5
武豊	152- 172- 136- 780/1240	12.3%	26.1%	37.1%	58	77	66.5	5.9着	4.1人気	12.1
岩田康誠	145- 153- 172-1090/1560	9.3%	19.1%	30.1%	56	75	70.7	6.4着	5.6人気	25.1
浜中俊	111- 123- 109- 653/ 996	11.1%	23.5%	34.4%	67	79	69.7	6.0着	4.8人気	17.4
藤岡康太	98- 110- 97- 978/1283	7.6%	16.2%	23.8%	64	76	75.0	7.3着	6.8人気	38.5

集計期間：2016. 1. 5 ～ 2017.11. 5
ソート：着別度数順（スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます）

日本人騎手は基本的にベタ買いすると損ですね。

例えば、武豊騎手のファンだから、武豊騎手の単勝馬券を全部買う、ということをやってると馬券的には負けます。

そういった買い方で勝てるのは田辺騎手だけ。しかも他の騎手と比較するとブッチギリです。ですが、単勝回収値101ということはちょっとしかプラスになりません。

で、この成績からわかるのは、何も考えずに、リーディング上位の騎手だからということで日本人騎手を騎手買いすると普通に負ける（馬券は負けるのが当たり前のギャンブルです）ということ。勝てません。

 馬連や3連複といった連系馬券の相手に加えるにしても、複勝回収値が100を超えている日本人上位騎手は存在しないので、ちゃんと検討する必要があります。

昨年から先週（2017年11月6日）までの外国人騎手の成績

騎手	着別度数	勝率	連対率	複勝率	単回値	複回値	単適回値	平均着	平人気	平ｵｯｽﾞ
ルメール	350- 218- 190- 708/1466	23.9%	38.7%	51.7%	84	83	82.6	4.5着	2.5人気	5.8
Ｍ．デム	282- 184- 162- 692/1320	21.4%	35.3%	47.6%	83	81	80.9	5.1着	2.6人気	5.8
モレイラ	31- 20- 11- 42/ 104	29.8%	49.0%	59.6%	95	87	90.8	4.1着	2.1人気	4.7
シュタル	25- 24- 31- 223/ 303	8.3%	16.2%	26.4%	81	86	77.8	7.2着	6.2人気	30.3
ムーア	20- 12- 10- 48/ 90	22.2%	35.6%	46.7%	62	75	74.0	4.7着	2.5人気	5.4
フォーリ	15- 20- 27- 185/ 247	6.1%	14.2%	25.1%	47	84	75.9	7.4着	7.3人気	42.8
ホワイト	14- 13- 18- 88/ 133	10.5%	20.3%	33.8%	121	84	83.6	6.5着	5.9人気	21.4
シュミノ	13- 14- 9- 129/ 165	7.9%	16.4%	21.8%	71	68	82.0	7.4着	6.3人気	27.7
Ｃ．デム	7- 4- 6- 37/ 54	13.0%	20.4%	31.5%	90	62	96.6	6.9着	5.3人気	20.3
ティータ	7- 2- 5- 57/ 71	9.9%	12.7%	19.7%	61	41	80.5	5.7着	5.1人気	18.4

集計期間：2016. 1. 5 ～ 2017.11. 5
ソート：着別度数順（スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます）

外国人騎手の場合は騎乗数が日本人騎手と異なるので判断に困る部分はありますが、ルメール、M.デムーロ、ムーア、モレイラ騎手は複勝率が明らかに高いです。

この4名の騎手に関しては平均人気が3を割っているとおり、日本人騎手と比較しても過剰に人気になります。

当然、良い馬に乗るから人気になるというのはありますが、それを踏まえても複勝率が45％を超えているというのは異常と言える数値。

さすがに2回に1回近く馬券に絡んでしまうと考えると、どれだけ人気になっていたとしても連系馬券で外すというのは懸命な判断とは言えません。

戸崎圭太騎手とルメール騎手の比較

ルメール騎手の人気別成績

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率	単回値	複回値	単適回値	平均着
1～2人気	292- 154- 139- 335/ 920	31.7%	48.5%	63.6%	81	86	82.7	3.7着
1～3人気	323- 185- 162- 464/1134	28.5%	44.8%	59.1%	81	83	82.5	3.9着
1～5人気	342- 209- 188- 605/1344	25.4%	41.0%	55.0%	82	84	82.1	4.3着
2～3人気	106- 88- 84- 273/ 551	19.2%	35.2%	50.5%	83	83	86.7	4.6着
2～5人気	125- 112- 110- 414/ 761	16.4%	31.1%	45.6%	84	83	84.9	4.9着
6～10人	7- 7- 2- 100/ 116	6.0%	12.1%	13.8%	98	61	97.1	7.9着
4～6人気	24- 27- 28- 184/ 263	9.1%	19.4%	30.0%	93	82	82.7	6.2着
7～9人気	2- 4- 0- 51/ 57	3.5%	10.5%	10.5%	87	57	68.4	8.2着
10～12人	1- 2- 0- 8/ 11	9.1%	27.3%	27.3%	192	226	321.4	7.7着
13～15人	0- 0- 0- 1/ 1	0.0%	0.0%	0.0%	0	0	0.0	14.0着

集計期間：2016. 1. 5 ～ 2017.11. 5（スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます）

戸崎騎手の人気別成績

人気	着別度数	勝率	連対率	複勝率	単回値	複回値	単適回値	平均着
1～2人気	258- 165- 97- 388/ 908	28.4%	46.6%	57.3%	78	78	79.2	4.0着
1～3人気	301- 197- 136- 548/1182	25.5%	42.1%	53.6%	80	78	80.7	4.4着
1～5人気	328- 232- 168- 755/1483	22.1%	37.8%	49.1%	78	78	80.4	4.7着
2～3人気	112- 96- 84- 368/ 660	17.0%	31.5%	44.2%	79	75	79.0	5.1着
2～5人気	139- 131- 116- 575/ 961	14.5%	28.1%	40.2%	76	76	78.7	5.4着
6～10人	11- 13- 13- 225/ 262	4.2%	9.2%	14.1%	72	60	76.4	8.2着
4～6人気	34- 42- 39- 278/ 393	8.7%	19.3%	29.3%	84	82	82.4	6.3着
7～9人気	4- 5- 4- 131/ 144	2.8%	6.3%	9.0%	52	38	56.5	8.7着
10～12人	0- 1- 3- 41/ 45	0.0%	2.2%	8.9%	0	58	0.0	9.6着
13～15人	0- 0- 0- 2/ 2	0.0%	0.0%	0.0%	0	0	0.0	10.5着
16～18人	0- 0- 0- 0/ 0
2～ 人気	150- 144- 130- 820/1244	12.1%	23.6%	34.1%	74	72	78.4	6.1着
3～ 人気	81- 80- 85- 612/ 858	9.4%	18.8%	28.7%	75	73	83.7	6.6着
4～ 人気	38- 48- 46- 452/ 584	6.5%	14.7%	22.6%	69	69	76.7	7.2着
5～ 人気	19- 26- 30- 346/ 421	4.5%	10.7%	17.8%	62	63	67.5	7.8着
6～ 人気	11- 13- 14- 245/ 283	3.9%	8.5%	13.4%	66	58	74.1	8.3着
7～ 人気	4- 6- 7- 174/ 191	2.1%	5.2%	8.9%	39	42	48.3	8.9着
10～人気	0- 1- 3- 43/ 47	0.0%	2.1%	8.5%	0	56	0.0	9.6着
11～人気	0- 0- 1- 20/ 21	0.0%	0.0%	4.8%	0	44	0.0	10.5着
14～人気	0- 0- 0- 1/ 1	0.0%	0.0%	0.0%	0	0	0.0	6.0着

集計期間：2016. 1. 5 ～ 2017.11. 5（スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます）

表をご覧いただければおわかりの通り、明らかにルメール騎手のほうが良い数字です。

1~2番人気の騎乗数は同じですが、勝率・連対率・複勝率・回収値といずれを見てもルメール騎手が上回っています。

しかも、ルメール騎手は人気の低い馬にのっても回収値が下がりません。むしろ上がるんですよね。

乱暴な言い方になりますが、ルメール騎手は強い馬だろうと弱い馬だろうと、常に勝ち負けを狙える騎手だと言えます。

反対に、戸崎騎手は人気が下がれば下がるほど、成績や回収値が落ち込んでいきます。つまり、強い馬でしか勝てない騎手だということがわかります。基本的に人気薄で買える騎手ではありません。

これを腕の差と見るかどうかは、この数字を見た人の判断しだいですが、私はこれが騎手の差だと思います。

まとめ

今回は第１回ということで、わかりやすいところをとりあげてみました。

ブログのメインは重賞展望なので、第2回では重賞レースにおける日本人騎手と外国人騎手の比較を行っていきたいと思います。

ひとまず今回はっきりしたのはルメール＞戸崎ということ。

そして、ルメール騎手の場合は馬質だけで勝っているわけではないということもわかったかと思います。

ルメール騎手は基本的にどの馬に乗っても人気になりがちですが、もし人気は無いけど気になるという馬がいて、その馬にルメール騎手が騎乗していたら、積極的に狙ってみてください。

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