マイルチャンピオンシップの上がり順位別傾向と事前予想
スプリント王のレッドファルクスを筆頭に、春のマイル王サトノアラジン、皐月賞2着のペルシアンナイト、桜花賞馬レーヌミノル、国内G1初制覇を狙うネオリアリズム、前哨戦のスワンSで鮮やかな快勝を納めたサングレーザーなど、G1にふさわしいメンバーが出走を予定する今年のマイルチャンピオンシップ。
昨年はゴール前で大きなトラブルがありましたが、これだけの豪華メンバーが出走する今年だからこそ、スッキリとした見ごたえのあるレースを期待したいところですね。
マイルチャンピオンシップの上がり順位別傾向
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | 単適回値 | 平均着 | 平人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3F 1位 | 2- 1- 1- 3/ 7 | 28.6% | 42.9% | 57.1% | 325 | 125 | 173.8 | 4.1着 | 4.4人気 |
3F 2位 | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 95 | 35 | 248.6 | 6.3着 | 8.8人気 |
3F 3位 | 1- 0- 1- 6/ 8 | 12.5% | 12.5% | 25.0% | 131 | 87 | 290.7 | 6.8着 | 10.4人気 |
3F ~5位 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 25 | 0.0 | 6.9着 | 6.7人気 |
3F 6位~ | 1- 3- 3-54/61 | 1.6% | 6.6% | 11.5% | 9 | 32 | 27.9 | 11.0着 | 10.2人気 |
集計期間:2012.11.18 ~ 2016.11.20(スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます)
上がり最速馬が活躍できる条件ではあります。
ところが、上がり6位以下の馬も4連対と結構な活躍。
展開としては、前の馬が粘るところを、後の馬がギリギリ差し込んでくるというイメージでしょうか。
昨年のゴール前は、ミッキーアイルが粘り込もうとするところをネオリアリズムが捕まえようとして、その後ろからサトノアラジンが猛追。ちょうど、そのタイミングでミッキーアイルがフラついて……という感じ。
本来ならサトノアラジンとネオリアリズムが優勝争いで、ミッキーとディサイファ、イスラボニータが3着横一線だったろうと考えられます。
そのあたりを加味すると、ひとまずは上がり最速を出せそうな馬を軸にしておけば良さそうな気もします。
・・・がっ! エリザベス女王杯週の結果からは、京都の芝は前有利になっている印象も受けるので、マイルチャンピオンシップに関しては、当日の馬場状況がかなり重要。
それまでに、上がり最速候補と、前で残れそうな候補をそれぞれ抽出しておく必要があります。
マイルチャンピオンシップの前走上がり順位別傾向
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | 単適回値 | 平均着 | 平人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3F 1位 | 0- 3- 0- 5/ 8 | 0.0% | 37.5% | 37.5% | 0 | 66 | 0.0 | 6.8着 | 4.8人気 |
3F 2位 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | 0.0 | 6.6着 | 6.2人気 |
3F 3位 | 0- 1- 1- 6/ 8 | 0.0% | 12.5% | 25.0% | 0 | 77 | 0.0 | 10.1着 | 9.3人気 |
3F ~5位 | 0- 1- 2-12/15 | 0.0% | 6.7% | 20.0% | 0 | 32 | 0.0 | 8.8着 | 8.1人気 |
3F 6位~ | 5- 0- 2-46/53 | 9.4% | 9.4% | 13.2% | 84 | 43 | 184.2 | 10.1着 | 10.8人気 |
集計期間:2012.11.18 ~ 2016.11.20(スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます)
前走上がり最速馬は1頭も勝ってませんね。それどころか、前走上がり5位以内の馬が1頭も勝っていない。
それにも関わらず、当日上がり最速馬が2勝しているというのはどう考えればいいのか?
日付 | 開催 | レース名 | 馬名S | C | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 頭数 | 印 | レース印1 | 人気 | 着順 | 距離S | 馬場状態 | 着差タイム | 通過順 | 上り3F | 間隔 | 前走開催 | 前走レース名 | 前走距離 | 前走馬場状態 | 前走人気 | 前走着順 | 前走通過順 | 前走上り3F | 前走騎手 | 前走斤量 | 前走頭数 | 前走馬番 | 前走走破タイム | 前走着差タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
161120 | 5京6 | マイルチG1 | ガリバルディ | 牡5 | 福永祐一 | 57 | 18 | 9 | 7 | 芝1600 | 良 | 0.4 | 15-14 | 34.6 | 4 | 4東6 | 富士SG3 | 芝1600 | 良 | 6 | 5 | 10-10 | 33.4 | 福永祐一 | 57 | 11 | 8 | 1343 | 0.3 | |||
151122 | 5京6 | マイルチG1 | イスラボニータ | 牡4 | 蛯名正義 | 57 | 18 | 1 | 3 | 芝1600 | 良 | 0.2 | 12-13 | 33.0 | 3 | 4東9 | 天皇賞秋G1 | 芝2000 | 良 | 6 | 3 | 12-11-10 | 33.6 | 蛯名正義 | 58 | 18 | 16 | 1586 | 0.2 | |||
141123 | 5京6 | マイルチG1 | ダノンシャーク | 牡6 | 岩田康誠 | 57 | 17 | 8 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.0 | 11-10 | 34.1 | 4 | 4東6 | 富士SG3 | 芝1600 | 良 | 1 | 7 | 03-02 | 34.0 | *福永祐一 | 57 | 16 | 14 | 1335 | 0.3 | |||
141123 | 5京6 | マイルチG1 | トーセンラー | 牡6 | 武豊 | 57 | 17 | 2 | 4 | 芝1600 | 良 | 0.3 | 14-12 | 34.1 | 6 | 4京3 | 京都大賞G2 | 芝2400 | 良 | 1 | 3 | 07-07-07 | 33.6 | 武豊 | 58 | 12 | 2 | 2245 | 0.3 | |||
131117 | 5京6 | マイルチG1 | トーセンラー | 牡5 | 武豊 | 57 | 18 | 2 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.2 | 15-14 | 33.3 | 6 | 4京2 | 京都大賞G2 | 芝2400 | 良 | 2 | 3 | 11-07-05 | 34.6 | *幸英明 | 57 | 13 | 11 | 2232 | 0.3 | |||
121118 | 5京6 | マイルチG1 | グランプリボス | 牡4 | 内田博幸 | 57 | 18 | 1 | 2 | 芝1600 | 稍 | 0.0 | 08-08 | 34.0 | 3 | 4京8 | スワンSG2 | 芝1400 | 良 | 3 | 1 | 10-10 | 33.2 | 内田博幸 | 57 | 16 | 15 | 1205 | -0.2 | |||
121118 | 5京6 | マイルチG1 | マルセリーナ | 牝4 | M.デム | 55 | 18 | 8 | 11 | 芝1600 | 稍 | 0.8 | 17-16 | 34.0 | 5 | 4東4 | 府中牝馬G2 | 芝1800 | 良 | 3 | 5 | 08-10-12 | 32.9 | *岩田康誠 | 55 | 17 | 6 | 1459 | 0.4 |
集計期間:2012.11.18 ~ 2016.11.20(スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます)
当日上がり最速を出した馬が上記の馬。
ここからはちょっと共通点が見つかりません。
それならば、今度は前走上がり下位にも関わらず馬券になった馬を確認してみましょう。
日付 | 開催 | レース名 | 馬名S | C | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 頭数 | 印 | レース印1 | 人気 | 着順 | 距離S | 馬場状態 | 着差タイム | 通過順 | 上り3F | 間隔 | 前走開催 | 前走レース名 | 前走距離 | 前走馬場状態 | 前走人気 | 前走着順 | 前走通過順 | 前走上り3F | 前走騎手 | 前走斤量 | 前走頭数 | 前走馬番 | 前走走破タイム | 前走着差タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
161120 | 5京6 | マイルチG1 | ミッキーアイル | 牡5 | 浜中俊 | 57 | 18 | 3 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.0 | 01-01 | 35.6 | 7 | 4中8 | スプリンG1 | 芝1200 | 良 | 2 | 2 | 01-01 | 34.2 | *松山弘平 | 57 | 16 | 15 | 1076 | 0.0 | |||
151122 | 5京6 | マイルチG1 | モーリス | 牡4 | ムーア | 57 | 18 | 4 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.2 | 09-08 | 33.1 | 24 | 3東2 | 安田記念G1 | 芝1600 | 良 | 1 | 1 | 03-03 | 34.5 | *川田将雅 | 58 | 17 | 6 | 1320 | -0.0 | |||
141123 | 5京6 | マイルチG1 | ダノンシャーク | 牡6 | 岩田康誠 | 57 | 17 | 8 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.0 | 11-10 | 34.1 | 4 | 4東6 | 富士SG3 | 芝1600 | 良 | 1 | 7 | 03-02 | 34.0 | *福永祐一 | 57 | 16 | 14 | 1335 | 0.3 | |||
141123 | 5京6 | マイルチG1 | グランデッツァ | 牡5 | 秋山真一 | 57 | 17 | 9 | 3 | 芝1600 | 良 | 0.2 | 03-03 | 34.8 | 6 | 4東2 | 毎日王冠G2 | 芝1800 | 良 | 2 | 5 | 03-03-03 | 34.3 | 秋山真一 | 56 | 15 | 9 | 1455 | 0.3 | |||
131117 | 5京6 | マイルチG1 | トーセンラー | 牡5 | 武豊 | 57 | 18 | 2 | 1 | 芝1600 | 良 | -0.2 | 15-14 | 33.3 | 6 | 4京2 | 京都大賞G2 | 芝2400 | 良 | 2 | 3 | 11-07-05 | 34.6 | *幸英明 | 57 | 13 | 11 | 2232 | 0.3 | |||
121118 | 5京6 | マイルチG1 | サダムパテック | 牡4 | 武豊 | 57 | 18 | 4 | 1 | 芝1600 | 稍 | -0.0 | 06-07 | 34.1 | 3 | 4東9 | 天皇賞秋G1 | 芝2000 | 良 | 10 | 8 | 09-07-07 | 34.0 | 武豊 | 58 | 18 | 5 | 1579 | 0.6 | |||
121118 | 5京6 | マイルチG1 | ドナウブルー | 牝4 | スミヨン | 55 | 18 | 5 | 3 | 芝1600 | 稍 | 0.1 | 08-08 | 34.1 | 5 | 4東4 | 府中牝馬G2 | 芝1800 | 良 | 1 | 3 | 04-05-05 | 33.4 | *内田博幸 | 54 | 17 | 11 | 1457 | 0.2 |
集計期間:2012.11.18 ~ 2016.11.20(スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます)
ミッキーアイルとグランデッツァ以外は、前走上がり順位が下位にも関わらず、マイルチャンピオンシップ当日の上がり順位が3番手以内。
また、概ね共通するのは前走3角5番手以内(トーセンラー、サダムパテック以外の5頭が該当)で、前走が直線の長い競馬場(ミッキーアイル以外の6頭が該当)に出走、且つ、上がり順位が6位以下だったという点。
前走上がり最速馬が勝ちきれない舞台であることや上記共通点を加味すると、直線スピードよりも先行力を重視すべきということになるでしょう。
つまり、前走で直線の長いコースで速い上がりを出していた馬よりも、そういうシチュエーションで前に行っていた馬のほうが、マイルチャンピオンシップにおいては速い上がりを出せます。
マイルチャンピオンシップの脚質傾向
脚質上り | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | 単適回値 | 平均着 | 平人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平地・逃げ | 1- 0- 0- 4/ 5 | 20.0% | 20.0% | 20.0% | 118 | 46 | 290.9 | 6.4着 | 8.6人気 |
平地・先行 | 0- 1- 2-15/18 | 0.0% | 5.6% | 16.7% | 0 | 69 | 0.0 | 10.4着 | 10.6人気 |
平地・中団 | 3- 4- 2-33/42 | 7.1% | 16.7% | 21.4% | 81 | 51 | 80.4 | 8.4着 | 7.9人気 |
平地・後方 | 1- 0- 1-22/24 | 4.2% | 4.2% | 8.3% | 19 | 12 | 79.4 | 11.0着 | 11.3人気 |
集計期間:2012.11.18 ~ 2016.11.20(スマホでご覧の方も、指で表を左に動かすと右端までご覧いただけます)
脚質的には差し馬が圧倒的に有利です。
逃げて勝ったのは過去五年でミッキーアイルだけ。ミッキーアイル以外で3角5番手以内につけていた馬は、24頭中3頭しか複勝圏内に好走しておらず、連対は1頭しかいません。
つまり、前走で先行している必要はあるけれど、今回先行する馬はあまりいい成績を出せない。前走よりもポジションを下げたほうが好走につながるということです。
スプリンターズステークスやスワンステークスで先行していたような馬がマイルチャンピオンシップに出てくれば、マイル以上の距離で出走していた先行馬は、距離延長の先行馬にポジションを取られることで、前走よりも位置取りが後になる。まぁ自然なことですね。前走マイル以上組で先行していた馬を狙えば問題ないでしょう。
まとめ
- 前走東京や京都の外回りを先行して、上がり順位が6位以下の馬
- 前走マイル以上を使っていた馬(勝ち馬を狙うなら)
- 直線の長い競馬場で、高速上がりを繰り出して連対出来るような馬は疑問
(※ネオリアリズムは回避予定だそうです)
この傾向を踏まえると、ネオリアリズムとペルシアンナイトが候補としてふさわしそう。
今回ガッツリ人気を落としそうなのはネオリアリズムのほうかな。
ネオリアリズは、かつては府中で高速上がりを繰り出しての勝利も経験していますが、オープン入りして以降はそういうシチュエーションでは凡走。
比較的前に付けそうな脚質であることは懸念すべき点ですが、前残りの馬場になるようなら最有力はネオリアリズムと考えていいでしょう。
で、ペルシアンナイトは多分前走よりもポジションを下げてくるでしょう。尚且つ東京では全部負け。
シンザン記念では道悪に泣いた上に直線では大きな不利を受けての3着。皐月賞まではマイルにこだわって使われていたようにこの距離ベスト。
ペルシアンナイトに関しては、不良の富士Sから明らかに状況は好転する(良馬場なら)ので間違いなく前走以上には走りそうです。
どちらを上位に取るかですが、現時点では◎ペルシアンナイト。
あとは当日の馬場と枠次第ですね。